学校に到着したのは発表開始時間よりだいぶ遅く一時間弱は過ぎていたでしょうか。

9時に見に来ている人達はきっと自信がある人だよ

最初の落ちた人になることに耐えられないよ、と子供と意見が一致して

気弱さから発表の喧騒をあえて避け、時間をずらして見に行くことにしました。

戻る親子の顔を見てはどちらなんだろう?と思いながら

学校に行く道すがら何組もの親子とすれ違います。


校門を過ぎて掲示板が見えてきたので

「ねぇ、ママはどこで待っていればいいのかな?」と声をかけましたが

もうそんなことに返答する余裕もないのか掲示板に吸い寄せられるように

前へ、前へ進んで行ってしまいこんな時間でも発表を見にそれなりに込み合っている

人ごみの中、制服姿のどれが自分の子供なのかさえよくわからなくなってしまいました。

私の立っている場所からは掲示板は見えますが数字などはまったく見えないのです。

ただ子供が戻ってくるのを待っていました。

もうかける言葉も、何も用意なんかできない。

しばらくたつと

人ごみから抜けてちょこちょこっとこちらへ戻ってくる子供の姿を見つけました。

私はなんとか先に表情を読み取ろうと近づいてくる顔を見つめます。

マスクで覆われた顔からのぞいている目は笑っているように見えました。

「受かったよ。」

その言葉を聞いた私はぎゅっうっと子供を抱きしめてよかったね、よかったねとそれしか言えませんでした。

涙があふれそうなその時「・・・見間違えてないよね?」と子供が。

瞬間涙はすぐに引っ込んでしまい今度は二人で掲示板の前に行き

受験票も取り出して間違いなく合格していることを確認。

感動の発表シーンになるかと思いきやどこかずっこけたところがあるシーンになってしまいました。

朝には春一番に見舞われ雨と嵐のお天気模様だったのが過ぎ去って

急に春らしく日射しがまぶしく感じられた雲ひとつない空でした。

すぐに電話で報告した夫からは落ち着いたころにメールも来ていました。

「あらためて合格おめでとう!気分は今日の天気と同じだ~」との一文が。

本当にそのとおりの気持ちでした。

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